永住者の在留資格は、「法務大臣が永住を認める者」に許可されるものであり、法務大臣に一定の裁量が認められています。ですが、法務省は永住許可に関するガイドラインを公表しており、ガイドラインの定める要件や申請人の活動状況・在留状況などから総合的に判断されると考えられます。

永住ビザ取得の法律上の3つの要件

1.素行が善良であること

法律を守って、日常生活においても住民として社会的に非難されることのない生活を営んでいることとされています。

具体的には、次のどれにも該当しないことです。

①日本の法令に違反して、懲役、禁錮または罰金に処せられたことがある者

※ただし、懲役や禁錮、罰金で処罰されたことがある場合でも、特定の期間の経過により永住権が取得できる場合があります。

②少年法による保護処分が継続中の者

③日常生活又は社会生活において、違法行為又は風紀を乱す行為を繰り返し行うなど素行が善良であるとは認められない者

※例えば一番多いのが車の運転での交通違反の場合、駐車禁止違反などは1度違反したから③に該当すると考えられることはありませんが、飲酒運転や無免許運転などは明らかな違反とされ1度でも③に該当すると考えられる可能性が高いです。

※家族滞在のビザなどの方で、資格外活動許可を得て働いている場合でも、許可の制限である週28時間を越えて働いている場合には、③に該当すると判断される可能性が高いです。また、配偶者が家族滞在ビザで資格外活動オーバーをしている場合には、本人も「監督不行届」として③に該当する可能性が高いので注意が必要です。

日本人、「永住者」又は特別永住者の配偶者又は子(普通養子及び特別永住者の配偶者又は子である場合には、こちらは要件になっておりません。

2.独立の生計を営むに足りる資産又は技能を有すること

日常生活において公共の負担となっておらず、かつ、その方の職業やその方の所有する資産などから見て将来において安定した生活が見込まれることとされています。

そのため、生活保護などを受給している場合には、永住ビザの許可を得ることは難しいとされています。また、現在はもとより将来においてもご自身で生活をすることが可能であることが認められる必要があり、その基準として過去3年間にわたって年収が300万円以上あるかが一つの判断基準となります。(ただし扶養家族がいる場合には、家族を扶養できる分の収入が必要と考えられます。)

 【ポイント】

  • 「経営・管理」からの変更の場合:経営する会社の安定性及び継続性も審査されます。
  • 「日本人の配偶者」からの変更の場合:申請人本人が要件を満たしていない主婦の方の場合であっても、配偶者が独立生計要件を満たしていれば永住申請が可能な場合もあります。
  • 転職している場合:給料が1.5倍になるなどキャリアアップ転職として評価される場合には問題はありませんが、転職の前後で職務上の地位が変わらないもしくは下がってしまう場合には、安定した生活とはみなされない場合があるので、転職後1年間経過した後に永住ビザの申請をするのがおすすめです。
  • 難民の認定を受けている方の場合には、独立生計要件は要件とされていません

3.その者の永住が日本国の利益に合すると認められること

①原則として引き続き10年以上日本に在留していて、この期間のうち、就労資格をもって継続して5年以上在留していること

引き続き10年以上日本に在留していることが必要とされ、年間で100日以上または1回の出国で3ヶ月以上の出国がある場合には、引き続きと判断されない可能性が高くなります。そのため、海外出張など合理的な理由がある場合には、日本における資産状況や家族の状況などの説明を要します。その上で、今後の生活が日本において継続される可能性が高いと判断されれば許可される可能性もあります。

また、直近5年以上就労資格をもって在留活動を行っている必要があるので、就労資格で3年間会社に勤務した後、自己都合で退職した上で、学校に1年通い、その後、就労資格で2年間働いているような場合には認められないので注意が必要です。

①日本人、永住者、特別永住者の配偶者、実子または特別養子

②定住者の在留資格→永住者への変更

③外交や文化等など日本国への貢献があると認められる場合

④高度専門職→永住者への変更

の場合には、原則10年以上日本に在留しているという日本継続在留要件が緩和されます。

②納税義務などの公的義務を履行していること

住民税や国民権保険税、国民年金等をきちんと支払っている必要があります。特に国民健康保険税と国民年金については、納期限を守って支払っているかも審査の重要なポイントとなります。

※「経営・管理」→永住ビザへの変更の場合:会社としての税金と個人としての税金のどちらも審査の対象となります。また、ご自身の会社が各種保険適用をしていることも重要になります。

③現に有している在留資格について最長の在留資格をもって在留していること

現時点(2019年6月時点)では在留期間は「3年」を許可されている場合には、最長の在留期間をもって在留しているものとして取り扱われます。

④公衆衛生上の観点から有害となるおそれがないこと

麻薬や大麻、覚せい剤などの慢性中毒者でないことや感染症患者でないこと

⑤著しく公益を害する行為をするおそれがないと認められること

4.身元保証人がいること

永住申請において身元保証人になれるのは日本人または永住者とされています。身元保証人とは連帯保証人とは異なり、道義的な責任に留まっており、経済的な賠償責任等を負う訳ではありません。