留学生の就職支援に係る「特定活動」

令和元年5月より、新たに留学生の就職支援に係る「特定活動」が認められることになりました。

これまでは「留学」で日本に在留する外国人が、日本での就職を希望する場合、「技術・人文知識・国際業務」の在留資格を取得する方が大半を占めていました。

「技術・人文知識・国際業務」の在留資格は、事務系のオフィスワークが主な職種で、大学などで学んだ知識を活かせる仕事や外国人特有な感性を必要とする仕事、通訳・翻訳業務などを行う場合に認められる在留資格です。

これまでは、アルバイト先の店長などから勤務態度が認められ、卒業後もうちで働かないか?といった話があった場合でも、飲食店のホールスタッフのお仕事などが主な業務内容の場合には、就労系の在留資格を取得することは難しかったのですが、今回の改正により、一般的なサービス業務や製造業務等が主たる活動となるものでも在留資格が認められることになり、留学生の就職先の間口が大きく開かれることになると思います。

以下、「留学生の就職支援に係る「特定活動」(本邦大学卒業者)についてのガイドライン」の記載に従い、詳しく解説していきたいと思います。

どのような業務が対象?

「本邦大学卒業者が日本語を用いた円滑な意思疎通を要する業務を含む幅広い業務に従事することを希望する場合には、在留資格「特定活動」による入国・在留が認められるとされています。

◆具体的な活動例

①飲食店:店舗において外国人客に対する通訳を兼ねた接客業務を行うもの

 ※厨房での皿洗いや清掃にのみ従事することは不可

②工場:日本人従業員から受けた作業指示を技能実習生や他の外国人従業員に対して外国語で伝達・指導しつつ、自らもラインに入って業務を行うもの

 ※ラインで指示された作業にのみ従事することは不可

③小売店:仕入れや商品企画等とあわせ、通訳を兼ねた外国人客に対する接客販売業務を行うもの

 ※商品の陳列や店舗の清掃にのみ従事することは不可

④ホテルや旅館:翻訳業務を兼ねた外国語によるHPの開設、更新作業を行うものや、外国人客への通訳(案内)、他の外国人従業員への指導を兼ねたベルスタッフやドアマンとして接客を行うもの

 ※客室の清掃にのみ従事することは不可

⑤タクシー会社:観光客(集客)のための企画・立案を行いつつ、自ら通訳を兼ねた観光案内を行うタクシードライバーとして活動するもの

 ※車両の整備や清掃のみに従事することは不可

⑥介護施設:外国人従業員や技能実習生への指導を行いながら、外国人利用者を含む利用者との間の意思疎通を図り、介護業務に従事するもの

 ※施設内の清掃や衣服の洗濯のみに従事することは不可

上記の活動例は、全てガイドラインに記載されているものなのですが、これまで認められていなかったファミレスなどの飲食店での接客業や、コンビニなど小売店での販売の仕事に従事する場合にも在留資格が認められることになります。ただし、どの業務内容の記載にもあるとおり「通訳や翻訳の要素」を兼ねた業務内容・「技術・人文知識・国際業務」の在留資格の対象となる様な業務内容が含まれていることも要件となりますので、業務内容が単純作業のみでは認められないのでご注意下さい。

※法律上資格を有する方が行うこととされている業務や風俗関係業務に従事する場合には認められません。

留学生の就職支援に係る「特定活動」の対象者

 1.学歴について 

  日本の4年生の大学の卒業及び大学院の過程を修了し、学位を授与された方

   ※短期大学及び専修学校の卒業、外国の大学の卒業及び大学院の修了は対象外

「技術・人文知識・国際業務」の在留資格の対象者は、日本及び海外の大学(短期大学、大学院等)及び日本の専門学校を卒業して、専門士の称号を付与された方が対象であるのに対し、留学生の就職支援に係る「特定活動」については、日本の4年生の大学と大学院を卒業した方のみが対象なのでご注意下さい。

 2.日本語能力について

  ①日本語能力試験N1又はBJTビジネス日本語能力テストで480点以上を有する方が対象

  ②大学または大学院において「日本語」を専攻して大学を卒業した方については、①を満たすもとして取り扱われます。

対象となる雇用形態と報酬について

フルタイムの職員としての稼動に限られ、パートタイムやアルバイトは対象外です。また、派遣社員として派遣先で働く場合には認められません。

報酬については、同種の業務に従事する日本人と同等額以上でなければなりません。

転職などで勤務先が変わった場合には在留資格変更許可申請が必要です。ただし、同じ会社内で配置が換わっただけの場合には不要です。この点においても技術・人文知識・国際業務の場合とは異なるので注意してください!

最後に

今回の法務省告示の一部改正により、留学生の就職先が拡大し、人手不足解消の重要な担い手になることが予想されますが、通訳・翻訳業務がどの程度業務範囲に含まれれば認められるのかなど、今後の動向に注目していきたいと思います。

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